
と悩んでいませんか。
薬物依存症やアルコール依存症へのスティグマや偏見をなくすには、
- 正しい知識をつけること
- 患者に実際に会ってみること
がいいですよ。
恥ずかしい話、私も大学で勉強はしたものの、薬物やアルコール依存症の患者さんヘステイグマや偏見を持っていました。
「虫が見えて突然暴れるんだろうな」「飲み続けてるし太ってる人が多いんだろうな」とか。
ただ、精神科の現場に来て、その考えは誤りだったと深く反省する事になりました。
その経験も踏まえて下の内容を紹介していきますね。
目次
看護師のあなたは薬物乱用者、アルコール依存症に偏見、スティグマを持っていませんか?【私はスティグマを持っていた】
看護師だから、医師だからといって医療者でもしっかりと偏見やスティグマを持っています。
現に私も看護師として精神科の現場にくるまでは、アルコール依存症や薬物依存症の方への偏見を持っていました。
※アルコール使用障害が主流になりつつありますがここでは依存症で統一します。
例えば、アルコール依存症なら家で大暴れして暴力や暴言の嵐。
薬物依存症なら地面を這いつくばって水をすするとか。
スティグマって誰に植えつけられたの?【薬物乱用教育をはじめとするダメ絶対の世論】
これって思い返したら何で植え付けられたのかなぁと思うと、
映画とか、アニメとか、ドラマとかなんですよね。
あと、国の広告とかポスターとかも強い偏見を作っているように感じます。
それがよく感じられるのが、「ダメ絶対」「『人間』やめますか」といった苛烈な宣伝ですね。
本質的には、患者はアルコール依存症、薬物依存症と見られるよりも、「健康問題」として取り扱われなければいけないのに、このような広告の影響で私達は無意識に、犯罪者とか倫理的な問題とか、道徳的な問とかにすり替えてしまっているんですよね。
これは看護師として患者と接するのであれば、なくさないといけない偏見やスティグマですよね?
薬物依存症やアルコール依存症への偏見、スティグマを無くすには?【正しい知識と患者に会うこと】

という疑問には。
- 正しい知識をつける
- アルコール依存症や薬物依存症の患者さんと直接会うこと
順番に説明しますね。
正しい知識をつける
まず正しい知識をつけるのが大切です。
大学で精神科看護を習いますが、依存症とか物質使用障害の勉強をするのは、4年間のうちの90分か180分程度です。
しかも概要だけで終わることがほとんどといってもいいくらいだった記憶です。
それだけだと、実際の患者さんがどういう背景で物質使用障害になったのかっていうところまでは想像力が広がらないわけですよね。
正しい知識をつけるといってもなかなか難しいのが現状かもしれません。
たとえば、アルコール関連の季刊誌を読むとか薬物関係の季刊誌を読むとかがいいかもしれませんね。やっぱり患者の生の声とか現場の生の声が一番大切ですから。
アルコール依存症や薬物依存症の患者さんと直接会うこと
そして前項とかぶりますが、アルコール依存症や薬物依存症などの物質使用障害を持っている患者さんと直接会うのも偏見をなくすのによいです。
私は、精神科に勤めだしたころ、ものすごーくアルコールとか薬物の患者さんに対して偏見とかスティグマを持っていましたが、実際に会ってみると、
普通の人間なんですよね。
全然人間やめてないですよ。
この辺って、実際に会うだけでも全然イメージが変わりますよね。
だからこそ、精神科に勤めろとは言いません。
例えば、アルコールや薬物依存症関係のオープンスピーカーズミーティングに参加してみるとか、研修会とか講習会に参加するだけでも全然違うと思います。
怖いとか粗暴とかそういうのは、実際に会ってから確認してみるのが一番解消に繋がりますよ。

アディクションとは
ある習慣から得られる快体験のために、その習慣を維持することが目的になり、自分の意思ではコントロールできなくなり、日常生活に支障をきたす状態をアディクションといいます。
たとえば、お酒を飲んで楽しい経験やお酒を飲んだらすぐに寝てしまったという経験はありませんか?その楽しい経験やすぐに寝れた体験を得るために、お酒を飲む行動を繰り返すうちに、量や回数が増えていき、次第にお酒を飲むこと自体を維持するようになることをアルコール依存症といいます。アディクションの状態になると、自分の意思ではお酒の量や回数をコントロールできず、常に酔っ払っていたりして仕事や日常生活ができない状態となります。
アディクションを繰り返すうちに、身体面や精神面で依存症が形成されます。身体的な依存が形成されると、突然アルコールや薬が飲めなくなったときに、手が震えたりする身体症状や、幻覚やイライラがでたりする精神症状といった離脱症状が現れます。
アディクションの種類には以下のようなものがあります。
- 物質嗜癖:アルコール、薬物、有機溶剤、ニコチン
- 行為過程嗜癖:ギャンブル、窃盗、インターネット
- 関係嗜癖:恋愛、共依存
それぞれのアディクションについて解説していきます。
アルコールや薬といった物質嗜癖
物質嗜癖とは、ある物質の摂取や使用に執着することをいいます。物質嗜癖の特徴としては、身体的な依存が形成される点です。身体的な依存とは、身体にアルコールや薬物が入っている状態が当たり前になっている状態をいいます。そのため、何らかの理由でアルコールや薬物が使用できなくなると、身体にあって当たり前だったものがなくなるため、身体症状や精神症状といった離脱症状が出現します。
離脱症状は、手が震える振戦、発汗、痙攣などの身体症状、虫が這っている人影が見えるなどの幻覚がみたりせん妄を起こしたりする精神症状が現れます。とくに痙攣発作を起こすと、食物が喉に詰まり窒息したり、離脱せん妄による幻覚で自殺を図ろうとしたりと命の危険もあります。
パチンコや万引きを繰り返す行為過程嗜癖
行為過程嗜癖とは、パチンコや万引きなどある行為のプロセスに執着することをいいます。
たとえばパチンコで次で当たるかもしれない、当たった時の快感をもう一度体験したいという欲求を満たすためにパチンコを繰り返したり、万引きによる緊急と物を取った時の快感の相反する感情を繰り返し味わいたいと思い万引きを繰り返すことなど、その過程で得られる快感を得るために行動に執着する状態を行為過程嗜癖といいます。
恋愛し続ける誰かを想い続ける関係嗜癖
関係嗜癖とは、ある特定の人との人間関係に執着することをいいます。ある特定の人を想い続けて、その人のことを考えることやその人の世話をやくことでしか自分の存在意義や価値を見え出せなくなる状態です。
【まとめ】看護師としてスティグマを減らすには「その人」を知る事が大切
何もアルコールや薬物だけじゃないんですよね。
たとえば、性的マイノリティの方だって、中身は普通の人なんですよ。
看護師として、医療者として偏見とかスティグマを持っていると、正しく看護ができない。
むしろ、フラットな状態で会話ができないので、偏見やスティグマは減らしたほうがいいです。
偏見とかスティグマをへらすには、座学よりも実際にその患者と会う。
「その人」を知るのが大切ですよ。
精神科以外に勤めていて、少し環境を変えたいという方は、精神科がおすすめですよ。
精神科に来てみてわかるんですけど、人間性が豊かになるというか、少し看護師看護師っていう自分へのハードルの高さが減る気がします。
看護師も人間なんだから、患者=人間と会話を楽しみながら、退院に向けての支援をしていくのも面白いと思いますよ。
精神科看護に興味がある人は是非いらしてくださいね。ちなみに私が楽に転職したくて看護師転職サイトの『看護のお仕事』を使いましたので参考程度に記事を乗せておきますね。
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