看護技術

看護師必見!睡眠障害・不眠の原因別の睡眠薬と看護の観察項目!

マイナビ看護師 [求職者募集]
Aさん
Aさん
今日はあんまり寝れませんでした・・・。
ナス子
ナス子
うーんじゃ少し先生に相談してみますね。

(ステーションにて)

ナス子
ナス子
先輩先ほどAさんが不眠を訴えていたので先生に相談しようと思うんですけど・・・。
パイセン
パイセン
ちょっと待った!まず看護師側で睡眠のアセスメントをして睡眠薬に頼らない方法を考えるのが先だよ!
環境整備やストレスの除去で不眠が改善することもあるんだ。

 

慢性的に不眠に悩まされている人は、日本の成人人口の約20%で、5人に1人が不眠を感じています。

最近の調査では、日本の平均睡眠時間は6.6時間。また睡眠で充足感がでるのは、6〜7時間と報告されています。

しかし、臨床の場では睡眠がとれず、不眠を訴える患者はたくさんいます。その理由はさまざまですが、臨床で安易に睡眠薬を出しもらうように働きかける看護師も少なくありません。

 

今回は睡眠薬の効果、適応、不眠の原因から睡眠薬使用時の観察ポイントや看護を解説します。また、睡眠薬に依存してしまうリスクを下げるための看護師が知っておくべき睡眠のアセスメントについても簡単にお話します。

 

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睡眠薬の効果

睡眠薬の効果は、超短時間作用型~長時間作用型とさまざまなタイプのお薬がありますが、睡眠をしやすいようにする効果があります。不眠による「眠れない」という感覚によって起こる緊張状態を抑えて、眠りやすくなるようにさせます。

よく患者に勘違いされますが、睡眠薬を飲んだのに寝れないということを訴えてきます。

睡眠薬は眠りやすくするように、身体に眠りのスイッチを入れる効果があるだけで、強制的に眠らせるほどの強い力はないということを看護師も理解していなくてはいけません。

睡眠薬の効果を強化する方法

睡眠薬を飲んでさらに眠りやすくするための方法として以下のようなことに、患者も看護師、介護士も気をつける必要があります。

睡眠薬の効果を強化する方法
  • 室温、湿度、寝巻き、寝具、音など眠るのに快適な環境にする
  • 眠れると思ってリラックスすること

睡眠薬の種類は半減期で分けられる

現在の主流となっている睡眠薬はベンゾチアピン系の睡眠薬です。非ベンゾチアピン系の睡眠薬もありますが、やはり表舞台にいるのはベンゾチアピン系の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は半減期で4つに分けられています。
半減期とは、内服後血液中の薬物の濃度が最高濃度から半分になる時間のことを指して言います。

超短時間型、短時間型、中間型、長期型の4つです。以下にまとめます。

睡眠薬の種類
  • 超短時間作用型:半減期2〜4時間
    トリアゾラム(ハルシオン)ゾピクロン(アモバン)ゾルピデム(マイスリー)
  • 短時間作用型:半減期6〜10時間
    ブロチゾラム(レンドルミン)ロルメタゼパム(エバミール)リルマザホン(リスミー)
  • 中間作用型:半減期20〜30時間
    ニトラゼパム(ベンザリン)フルニトラゼパム(サイレース、ロヒプノール)エスタゾラム(ユーロジン)
  • 長時間作用型:半減期30時間以上
    フルラゼパム(ダルメート)クアゼパム(ドラール)

睡眠薬の分類を語呂合わせで覚える

睡眠薬は半減期で分けられていますが、それゆえにどの薬がどのくらいの半減期だったかわからなくなることも少なくありません。
そのため覚えれるように睡眠薬の分類別に語呂合わせで覚えてしまいましょう。

超短時間作用型の語呂合わせ

羽鳥はAmazonマジゾッコン(即効)
羽鳥(ルシオン、トリアゾラム)Amazon(モバン、ピクロン)マジゾッコン(イスリー、ルピデム)即効(2~4時間)

短時間作用型の語呂合わせ

レイブンクローのエリリ
レイブン(ンドルミン、ロチゾラム)クロー(ルメタゼパム)のエリリ(バミール、ルマザホン、スミー)

中間作用型の語呂合わせ

20~30代のニベア輸液はサーフロー
20~30代(20~30時間)のニベア(トラゼパム、ンザリン)輸液は(ーロジン、スタゾラム)サーフロー(イレース、ルニトラゼパム、ヒプノール)

長時間作用型の語呂合わせ

30時間フルダイブのドラゴンクエスト
30時間フルダイブ(ルラゼパム、ルメート)のドラゴンクエスト(ラール、アゼパム)

不眠の原因別の睡眠薬の適応

不眠時の看護の第一歩は原因の観察とアセスメント!
私が初任の頃不眠を訴えている患者をみるとすぐに主治医に報告していたました。
しかし、本来それは良くない対応でした。

不眠時の患者を見た時の看護師が取るべき行動は原因の観察とアセスメントです。

不眠時に対してすぐに主治医へ報告すると睡眠薬を安易に使用する結果となります。

それは睡眠薬依存の患者を増やすリスクを高めることになりますよね。

まずは原因を観察し、看護サイドでその原因を取り除く努力をするのが大切です。
主治医へ報告する時にも、不眠の原因、その原因に対して看護のアプローチを報告すべきです。

不眠の原因

不眠にはいろいろな原因がありますが、不眠になるメカニズムとして、寝れない、眠れないということ自体がストレスとなっています。そのストレスの影響で緊張状態となり、眠れないおいう状態を強化している悪循環が起こっています。

不眠の原因は①環境要因②身体的要因③心理的要因④精神疾患による要因と大きく4つに分けられます。
以下のようなにまとめられます。

不眠時の原因
  1. 環境要因:気温、湿度、音、照度、睡眠のタイミングなど
    →環境調整、短期間の「超短時間作用型」or「短時間作用型」の睡眠薬の使用
  2. 身体的要因:発熱、疼痛、呼吸困難、無呼吸症候群など
    →身体疾患の治療、クーリングや疼痛コントロール、場合により睡眠薬や抗精神病薬などを併用
  3. 心理的要因:ストレス、家族関係、対人関係、
    →心理的ストレスになっているものの排除、調整、抗うつ薬や抗不安薬でストレス軽減、「長時間作用型」の睡眠薬の使用
  4. 精神疾患要因:統合失調症、認知症、うつ病、アルコール依存症等による不眠
    →主疾患の治療および抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬による睡眠コントロール、「長時間作用型」の睡眠薬の使用

①環境要因

環境要因とは、室内の温度や湿度、音や光の強さなどによる不眠の原因のことです。
看護師をはじめとするシフト勤務の方も不眠時訴えることが多くあります。
基本的には、環境調整によって改善するケースがほとんどです。

あまりにも不眠が酷い場合や昼夜逆転の場合には短期間の「超短時間作用型」か「短時間作用型」の睡眠薬を使用します。

注意が必要なのは短時間で作用する睡眠薬は依存形成がされやすい点。長期間使用すると依存形成されるため短期間で連用を避ける必要があります。

②発熱や疼痛といった身体的要因

発熱や疼痛といった身体疾患が原因で不眠に至るケースも少なくありません。
その場合には、身体疾患の治療が優先されるのは当然です。
また、看護としては主治医と相談しながらクーリングの実施や疼痛のコントロールを行い、発熱や疼痛といった苦痛の緩和により、睡眠を確保することが求められます。

他の疾患の治療薬が影響して不眠となっていることもあります。
たとえば降圧薬、抗パーキンソン病薬、コレステロール阻害薬などなどがあります。

身体的要因に関しては、個別性が高いため、不眠の原因となっているものの軽減を看護で行ったうえで、睡眠薬や抗不安薬などの薬剤調整を行って対応していきます。

③心理的要因

心的要因とは、対人関係によるストレスや家族関係によるストレスなどのことを含います。

看護としては、原因となるストレスが特定できるのであれば、その原因に対して対応·対処することが基本です。

しかし、たいがいの場合は、ストレスの原因を排除できないことがほとんどです。

ストレスによる不安やうつ状態の改善のために、抗不安薬や抗うつ薬を使用し、それでも不眠が持続する場合には、「長時間作用型」の睡眠薬を使いながら対処します。

④精神疾患要因

精神疾患要因は文字通り、のことです。
統合失調症うつ病、認知症、アルコール依存症等による不眠、精神症状が著しい陽性症状のとき、陰性症状による不眠とさまざまなタイプがありますが、基本的にはベースとなっている主疾患の治療と並行して睡眠問題の改善を目指します。

精神疾患での不眠に対しては、あえて睡眠薬を使用せずに抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬などで睡眠コントロールすることもあります。

精神症状による活動性が高い場合には鎮静目的で定型精神病薬のセレネース(ハロペリドール)の筋注をしたり、「長時間作用型」の睡眠薬を使用しながら不眠に対応します。

睡眠薬の副作用

お薬には主薬効と共に副作用は切っても切り離せません。
当然睡眠薬にも副作用があります。以下のようなにまとめられます。

睡眠薬の副作用
  1. 持ち越し:日中も眠気が残ること
  2. 筋弛緩作用:身体に力が入らず転職のリスクを高める
  3. 反跳性不眠:急な服薬中止による不眠
  4. 飲酒による副作用:睡眠薬とアルコールの併用による奇異反応

①持ち越し

持ち越しとは、中間作用型や長時間作用型の睡眠薬に良く見られる症状で、夜間に鎮静作用、催眠作用があるものの、起床してもその効果を持ち越してしまう状態を言います。

要するに持ち越しとは、起きても眠気が残ってしまう状態です

長時間作用型だけでなく、短時間作用型でも代謝能力が下がっている高齢者や精神疾患患者には持ち越しが見られることがあります。

また、このような眠気が残る状態で車の運転や集中力のいる作業を行うことは危険なため、患者には説明を十分に行う必要があります。

②筋弛緩作用

すべての睡眠薬で起こる訳ではありませんが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は眠気を誘う効果の方かに筋肉の弛緩させる作用がありこれが悪さをする場合があります。

筋弛緩によって夜間のトイレ時や徘徊時に脱力傾向となり転倒のリスクが高まります。

特に高齢者では転倒による骨折のリスクが高く、大腿骨骨折を起こして寝たきり状態になったり、人工骨頭をいれたりといったことは珍しくありません。

筋弛緩によるふらつきや転倒のリスクがある場合には、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬への変更を検討する必要もあります。

内服薬の変更を行う前に看護としては、夜間徘徊する理由を減らす努力も必要で、トイレへ行くのに起きる高齢者であれば水分の摂取タイミングの調整や、入眠前のトイレ誘導など工夫する必要があります。

また、日中活動を増やして中途覚醒の回数を減らす努力をするなどもいいでしょう。

③反跳性不眠

反跳性不眠とは、リバウンド性不眠ともいい、急に睡眠薬を中止したときに発生する不眠のことです。

患者の体では睡眠薬がある状態が自然な状態にホメオスターシスが維持されていたところ、急に睡眠薬がなくなったことで上手く調整できずに不眠になることがあります。

特に、超短時間作用型や短時間作用型の睡眠薬では反跳性不眠が起こり易いです。

悪性症候群によって急に睡眠薬などを中止する必要がある場合は致し方ないのですが、睡眠が確保できるようになったから睡眠薬を減らしていくという時には慎重に減薬できるようにカンファレンスをしていきましょう。

④飲酒による副作用

薬物依存やアルコール依存症の患者で問題となるのが、睡眠薬とアルコールの併用による副作用です。

睡眠薬はアルコールと併用すると、不安や焦燥感が増すといった症状が出現します。またおびえるような症状を呈したり、時には興奮して攻撃性が出たりすることもあります。これらのアルコール併用による反応を奇異反応といいます。

また、飲酒前後の記憶や睡眠薬内服前後の記憶が飛ぶ「健忘」も特徴的な症状です。
睡眠薬を使用するときには飲酒について説明をする必要があります。

 

不眠時の看護の観察ポイントとアセスメント

看護師や介護士が不眠の患者を観察するときのポイントはいくつかあり以下にまとめます。

不眠時の看護の観察ポイント
  • 高齢者、その他疾患によるふらつきはないか
  • 日中活動量や午睡の有無
  • どの時間帯の不眠か
  • 精神症状によるものかの精査

高齢者、その他疾患によるふらつきはないか

高齢者やアルコール依存症による離脱症状でふらつきが発生している場合には、睡眠薬の筋弛緩作用が強くでて、睡眠薬の効果を十分に得ることができないことが多いです。

また夜間の脱力による転倒のリスクも高くなります。

ふらつきが強い患者には安易に睡眠薬の追加を行うのではなく、環境調整や日中の覚醒を促すなどして睡眠導入しやすいようにしましょう。

そのうえで睡眠改善がされない場合には主治医と相談のうえで睡眠薬の導入を検討しましょう。

日中活動量や午睡の有無

ただ単純に日中活動が低く、午睡ばかりしている場合には、睡眠薬の検討よりも日中活動を増やすことが求められます。

術後で安静が必要な場合などは睡眠薬を利用することもありますが、基本的には、昼夜逆転などを是正して生活リズムの改善で睡眠がとれるようになることも多いです。

どの時間帯の不眠か

患者が不眠を訴えている場合には、どの時間帯、どのタイプの不眠なのを精査する必要があります。

入眠困難感があるのであれば、短時間作用型の睡眠薬の適応になりますし、熟睡感がない場合には別の睡眠薬や抗うつ薬などで調整することもあります。

主治医へ報告する際にも、ただ単純に不眠があると伝えるのではなく、どの時間帯の不眠か、入眠困難感があるのか、再入眠困難感があるのか、熟睡感がないのかなど看護の視点でアセスメントしてから報告を行うとよいでしょう。

また、不眠時の記録を残しておくことも重要で、上記のポイントを押さえたうえで記録を残し、主治医に報告するように心がけると、間違った処方が起こりにくくなります。

精神症状によるものかの精査

精神疾患のある患者では、不眠を訴えていたとしても、それが純粋に不眠なのか、それとも精神症状の悪化によるものなのかで不眠への対応が異なってきます

精神症状の悪化であれば、主病の治療が優先です。

患者の日中の言動や行動、他患交流の奇異さなどなど変化を考慮したうえで、お薬調整についてコンサルタントしたり、診察をしてもらったりと調整しましょう。

精神症状が安定すれば睡眠がとれる患者なのか、それとも不眠から精神症状が悪化する患者なのかは、精神科での入院が何度かある患者であれば、看護師の方が把握していることも多いので自分の経験を踏まえたうえで対応が必要です。

また、一般科で不眠の原因が精神症状からくるものでは?とアセスメントすれば、精神科へのコンサルタントも忘れずに、選択肢として持っておきましょう。

 

まとめ

看護の視点でアセスメントすることで、対応・対処できる不眠も少なくありません

当然主治医と連携することが大切ですが、環境調整や日中活動量の増加などで不眠が改善するのではとアセスメントしたのであればそれを実践するところから始めましょう。

 

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